サンデーサイレンスという馬をご存じでしょうか。
最近競馬を始めた方にとっては馴染みがないかもしれませんが、90年代~2000代に競馬に触れていた方で、その名を知らない人はいないでしょう。
サンデーサイレンスは元々はアメリカ合衆国で活躍していたダートホースです。
引退後に社台ファームの創設者である吉田善哉氏により、購入され、種牡馬として、来日しました。
来日したのは1990年初頭で、1991年でから、繁殖入りすると、1992年に初年度産駒であるフジキセキが、朝日杯3歳ステークス(現在の朝日杯FS)を制し、いきなりG1ホースを輩出します。
その後も、繁殖馬を引退する2003年まで、毎年100頭以上と種付けを行い、数多くのg1馬、重賞馬を輩出しました。
サンデーサイレンスは2002年に亡くなりましたが、サンデーサイレンスの血を継いだ馬が競馬界を多数占めるほどとなり、インブリードの関係で、一時は、サンデーサイレンス産駒との交配に頭を抱える生産者も現れたほどです。
閑話休題。
そんなサンデーサイレンスが世に輩出した馬には数多くの名馬がいるのですが、いったいどのような馬がいるのでしょうか。
サンデーサイレンス産駒はたくさん存在するため、全ての馬をまとめるというよりも、各部門ごとにサンデーサイレンスの代表馬を紹介していこうと思います。
サンデーサイレンス産駒は、短距離から長距離まで幅広く活躍した馬が存在します。
最初に、サンデーサイレンス産駒を代表するスプリンター・マイラー・中距離ホース・ステイヤーを紹介していきます。
サンデーサイレンスの代表的なスプリンターは牝馬のビリーヴでしょう。
現役時代の通算成績は27戦10勝で、勝ったレースは全て芝の1200mという生粋の短距離馬です。
それだけでなく、春の短距離G1である高松宮記念と、秋のG1スプリンターズステークスをも制しています。
引退レースとなったスプリンターズステークスでは1番人気に支持されましたが、同じサンデーサイレンス産駒であるデュランダルと大激闘の末、15cm差で2着に敗れてしまいました。
しかし、その年の春の高松宮記念を制したことから最優秀4歳以上牝馬のタイトルを受賞し、引退することとなります。
引退後は、アメリカに渡り、種牡馬として活躍しました。
初年度産駒のファリダットは安田記念や京成杯スプリングカップで3着に健闘した馬で、母の短距離の血を明らかに引き継いでいます。
現役で活躍しているジャンダルムはオープン馬で、2歳の頃にデイリー杯2歳ステークスを制したり、タイムフライヤーが制したホープフルステークスで2着に好走、現在も藤井勘一郎騎手とともに、ターフで走り続けています。
サンデーサイレンス産駒のマイラーと言ったら、現在も種牡馬として活躍するダイワメジャーでしょう。
3歳の時に発症した喘鳴症(ノド鳴り)という、競走馬としての生命を乗り越え、大舞台で結果を残してきたダイワメジャーは、最近競馬を始めた人にとっては種牡馬としてのイメージが強いと思いますが、現役時代のダイワメジャーはマイルから中距離まで幅広く結果を残します。
獲得したG1タイトルは
皐月賞
天皇賞(秋)
安田記念
マイルチャンピオンシップ(連覇)
と、5つのG1タイトルを手にしました。
2016年に引退したモーリスを彷彿させるような馬のように感じますが、暮れの有馬記念では2年連続で3着に健闘しており、2400m以上のレースでも好走しているのです。
引退後は種牡馬入りし、数多くのG1ホースを輩出しました。2020年5月時点でG1を制したダイワメジャー産駒は、
カレンブラックヒル(NHKマイルカップ)
コパノリチャード(高松宮記念)
ブルドックボス(JBCスプリント)
メジャーエンブレム(阪神ジュビナエルフィリーズ・NHKマイルカップ)
レーヌミノル(桜花賞)
アドマイヤマーズ(朝日杯FS・NHKマイル・香港マイル)
ノーヴァレンダ(全日本2歳優駿)
レシステンシア(阪神ジュビナエルフィリーズ)
の8頭です。
産駒は幅広い距離で結果を残していますが、得意としているのはダイワメジャーと同じく1600mの距離で、産駒が手にした重賞は全て1800m以下、G1に至っては全て1600m以下のレースとなっています。
父ダイワメジャーがパワータイプの馬で、産駒にもそれが継がれている傾向があり、タフな馬場や湿った馬場で好走する産駒も多く見られます。
近年もクラシックを沸かせたレシステンシアを輩出していて、種牡馬としてまだまだ活躍が見込まれますね。
最後に、少し余談話を挟むと、ダイワメジャーの母はスカーレットブーケで、G1タイトルを4つ手にしたウオッカと同期のダイワスカーレットはダイワメジャーの半妹に当たります。
ダイワメジャーの引退レースとなった有馬記念にて、ダイワスカーレットとの兄弟対決も実現されています。結果はダイワスカーレットが2着で、ダイワメジャーが3着でした。
サンデーサイレンスを代表する中距離馬、いや、サンデーサイレンス産駒の最高傑作と呼んでもいい馬でしょう。
シンボリルドルフ以来の至上2頭目となる無敗の三冠馬であり、最終的に獲得したG1数は7つで、輝かしい成績を持ちながらも4歳で現役を引退したディープインパクトは誰もが認める偉大なる名馬です。
通算成績は14戦12勝で、敗れたのは3歳の頃に挑んだ有馬記念と、古馬になって挑んだ凱旋門賞です。
国内の成績だけ見たら、敗れた有馬記念も2着に入選しているため、連対率は100%。デビューから引退まで騎乗した武豊騎手をして「飛んでいるような」走りで、他の馬をごぼう抜きする競馬は、観客だけでなく、テレビの先の視聴者をも虜にしました。
意外かもしれませんが、ディープインパクトはサンデーサイレンスの晩年の産駒です。
ディープインパクトがデビューする前にサンデーサイレンスは亡くなりました。サンデーサイレンスが死去し、日本競馬を席巻した大型種牡馬が一頭いなくなりました。
多くの競馬関係者がポストサンデーサイレンスを探し回っているころに、ディープインパクトはデビューし、どのレースでも持ち前の末脚を活かして、勝利をもぎとりました。
その末脚は、競馬関係者や評論家、競馬以外のメディアまでもが取り上げるほどで、その期待に応えるかのようにクラシック三冠を制します。
古馬になっても、大活躍をし、サンデーサイレンス最高傑作と言われるほどになったころ、ポストサンデーサイレンスとして、ディープインパクトこそが相応しいということとなり、ディープインパクトのオーナーである金子真人氏は4歳の有馬記念を最後に現役を引退することとなります。
有馬記念で昨年のリベンジと言わんばかりに勝利を手にしたディープインパクトは、引退後、社台スタリオンステーションにて種牡馬入りします。
ポストサンデーサイレンスとして種牡馬入りしたディープインパクトは、初年度産駒のマルセリーナが桜花賞を、リアルインパクトが安田記念を制したことで、いきなり種牡馬として結果を残しました。
その後も、年間200頭を超える繁殖牝馬と交配し、数多くのG1ホースを輩出しています。
ディープインパクト産駒は、父ディープインパクトと同じように、若いころから完成度の高い馬を輩出し、数多くのG1を手にしています。
ダービー馬は2020年現在でなんと6頭も輩出しました。
ディープブリランテ
キズナ
マカヒキ
ワグネリアン
ロジャーバローズ
コントレイル
です。
それ以外のディープインパクト産駒もビッグレースで結果を残している馬が後を絶ちません。例えば、
G1タイトルを7つ手にした「女帝」ジェンティルドンナ
そのジェンティルドンナのためにクラシックは涙をのんだヴィルシーナ
里見オーナーに初のG1タイトルをプレゼントしたサトノダイヤモンド
ディープインパクト産駒の牡馬でG1タイトルを3つ手にしているフィエールマン
これらの馬は皆ディープインパクト産駒です。
ディープインパクト産駒は、若いころから完成された体格をもち、父と同じように、中距離から長距離を得意とする馬が多いですね。
ディープインパクト同様、鋭い切れ脚で、差し切る馬が多いのも特徴に挙げられるでしょう。
弱点としては、早熟傾向が強く、6歳以上になるとパフォーマンスを落とす傾向にあります。
また、短距離やダートも産駒数に対して、そこまで好走事例は多くないですね。
それでも、サラブレッドとして一番脂の乗っている3~5歳時に結果を残すことから、多くディープインパクト産駒がターフを駆け抜けましたが、ディープインパクトは2019年の夏に頸椎骨折のために亡くなりました。
ポストサンデーサイレンスとして活躍したディープインパクトが亡くなったことで、次はポストディープインパクト候補を探す時期です。
現在は、初年度産駒のリアルインパクトや、ダービー馬ディープブリランテ、キズナが種牡馬入りし、産駒がターフで活躍しています。
かつてサンデーサイレンスの血を継いだディープインパクトが、競馬界に多大な貢献をもたらしました。そのディープインパクトの後を継ぐのはどの馬なのか、注目していきたいですね。
長距離馬で代表的なのはマンハッタンカフェでしょう。
マンハッタンカフェはいわゆる夏の上がり馬です。夏の上がり馬というのは三歳の春の時点で、大舞台に縁がない、もしくは大舞台に出走したものの結果を残せなかった馬で、夏競馬の時期に力をつけた馬のことを指します。
近年でいうと、2017年の菊花賞馬であるキセキ、その一つ後の菊花賞馬フィエールマンなどは春のクラシックに縁がなかったものの、夏に仕上げて最後の一冠である菊花賞を制した夏の上がり馬です。
マンハッタンカフェも皐月賞トライアルである弥生賞こそ出走しましたが、春のクラシックには未出走で夏競馬から、秋の菊花賞を制しています。
菊花賞は芝3000mのステイヤーレースとして有名ですが、それだけでなく、その年の有馬記念にて、G1タイトルを7つ手にしていたテイエムオペラオーやテイエムオペラオーのライバルであるメイショウドトウら相手に勝ち切っています。
翌年の天皇賞(春)では、同期のダービー馬であるジャングルポケットやテイエムオペラオー世代の最後のクラシックホースであるナリタトップロードらを抑えて見事優勝しました。
マンハッタンカフェに騎乗していた蛯名正義騎手は現在でもステイヤーレースに強い印象がありますが、蛯名騎手はマンハッタンカフェで長距離G1を制したことが開祖ともいわれています。
4歳の秋にフランスの凱旋門賞に挑みましたが、13着に敗れ、屈腱炎も発症してしまい、競走馬を引退することとなりました。
引退後は種牡馬入りしました。有名な産駒は
秋華賞を制したレッドディザイア
NHKマイルを勝ったジョーカプチーノ
天皇賞(春)を制したヒルノダムール
フェブラリーステークスを勝ったグレープブランデー
エリザベス女王杯を勝ったクイーンズリング
重賞4勝馬のルージュバック
サトノダイヤモンド世代の晩成馬シャケトラ
がいます。
マンハッタンカフェ自身は長距離が得意でしたが、産駒はマイル~長距離を幅広くこなし、また、芝・ダート問わず、好走する馬が多いですね。
サンデーサイレンス産駒はただ数が多いというだけではありません。
先ほど紹介した距離部門では該当しそうにないものの、個性や特徴の強いサンデーサイレンス産駒を紹介していきます。
サンデーサイレンスはアメリカのダートホースですが、意外なほど日本の芝にマッチした馬を輩出しており、ダート馬よりも芝の馬のほうが有名な馬は多いです。
そんな中、ゴールドアリュールは産駒を代表するダートホースで、現役時代に
ジャパンダートダービー
ダービーグランプリ
東京大賞典
フェブラリーステークス
と4つのG1を獲得しました。
ダートでの活躍が目立ちますが、日本ダービーにも出場しており、13番人気ながら5着に健闘、初勝利も芝であったことから、少なからず芝適正もあった馬です。
喘鳴症のために4歳で引退してしまいましたが、アンタレスステークスで59キロを背負いながら8馬身差で完勝したり、ダート界では横綱相撲といわんばかりの強い競馬を魅せました。
G1タイトルを4つ手にして引退したゴールドアリュールは種牡馬入りし、
エスポワールシチー
コパノリッキー
クリソライト
ゴールドドリーム
サンライズノヴァ
クリソリベル
といったダートホースを輩出しました。
サンデーサイレンスを代表する牝馬の一頭でしょう。
メジロラモーヌ以来となる、至上2頭目の牝馬三冠を成し遂げた馬で、デビューから引退まで手綱を握った幸英明騎手にG1タイトルをプレゼントした馬です。
三冠牝馬というと、ジェンティルドンナやアーモンドアイのように、牡馬相手にも強い競馬を魅せるイメージがありますが、このスティルインラブは古馬になった途端に、それまでの活躍とは打って変わってドスランプに陥ります。
そのスランプは解決することなく、引退するまで勝ち星をあげることはできませんでした。
引退後種牡馬入りしましたが、腸重積症のために、一頭の産駒を輩出したのち、亡くなりました。
その唯一の産駒であるジューダは現役時代に2勝したのちに、引退し、福島県の相馬野馬追(そうまのまおい)で活躍しているようです。
サイレンススズカは逃げ馬の代名詞といっても過言ではない、スピード狂です。
その圧倒的な逃げっぷりと、その最期から、ディープインパクトを超えるサンデーサイレンス産駒の最高傑作と呼ぶ人もいるほどです。
とにかく、近年では見られない大逃げを行うのがサイレンススズカの走りのスタイル。とにかくゲートを飛び出したら後続に影を踏ませない逃げっぷりを披露します。
本来であれば、前半から飛ばすと、最後には失速する傾向があるため、多くの騎手は馬をうまくコントロールしながらスタミナを保つのですが、サイレンススズカは、常にトップギアで走ります。
そして、スタミナ切れを起こさない逃げ馬だったのです。
そのサイレンススズカはクラシックの年こそまだ未完で、逃げても最後には差されてしまいましたが、古馬になって力をつけ始めてからは、スタミナも上がり、全速力からさらに脚を使うギアチェンジを覚え、息を入れることも覚えたことで、無敗の6連勝を飾ります。
特に、古馬となって6戦目に挑んだ毎日王冠はエルコンドルパサーやグラスワンダーらを相手に、1000m通過57.7秒というハイペースながら、最後までスピードを落とさないどころかさらに加速し、1.44.9のラップタイムで勝ち切りました。
古馬になってから無敗の6連勝ということもあり、迎えた天皇賞(秋)にて1番人気に支持されましたが、これがサイレンススズカの最期となったのです。
馬番1番の内枠からすんなりとゲートを出たサイレンススズカは、前走同様ハイペースで大逃げをかまし、1000m通過タイム57.4秒と、毎日王冠よりさらに速い脚で競馬をしますが、都府中の4コーナー辺りで、急に失速します。
脚を故障してしまったのです。
幸いにも、後続との距離が離れていたこともあり、各馬との衝突はなかったのですが、レース中断を余儀なくされました。レース後の診断で、骨折が判明し、サイレンススズカは予後不良となってしまったのです。
鞍上の武豊騎手にとっても非常に思い入れのある馬で、サイレンススズカの死を聞いたときは相当落ち込んだそうです。
また、サイレンススズカに敗れたエルコンドルパサーがその後にジャパンカップを制し、凱旋門賞で2着に入選したことや、グラスワンダーが宝塚記念や有馬記念を制したことで、間接的にサイレンススズカの評価も上がりました。
ただの逃げ馬ではない、大逃げを得意とし、なおかつ最後まで削がれないスピードを持つサイレンススズカは、競馬関係者のみならず、多くの競馬ファンにも強い印象を与え、今でもサイレンススズカを支持するファンは多いのです。
ステイゴールドは旧年齢でいう8歳まで、ターフを走り続けた馬です。
生涯成績は50戦7勝で、手にしたG1タイトルは引退レースとなった香港ヴァーズのみです。
若いころから、重賞やG1でも馬券に絡み、先ほど紹介したサイレンススズカの天皇賞(秋)でも2着に入選している馬です。
ところが、ステイゴールドは、勝ち星に恵まれなかった馬で、4歳時に勝った阿寒湖特別から、7歳にして初重賞となった目黒記念まで勝ち星をあげることができず、ステイゴールドの主な勝ち鞍が長い間、阿寒湖特別(900万下)だったことは有名な話です。
2着・3着にこそ入選するものの勝ち星をなかなかあげることができなかったことから、名前に反して「シルバー・ブロンズコレクター」とも呼ばれました。
そんなステイゴールドは、中距離から長距離にかけて結果を残してきた馬で、勝ち切れなくても、グレード問わず、好走することからステイゴールドを応援するファンも数多くいました。
引退レースとなった香港ヴァーズで初タイトルを手にし、引退。種牡馬としてはG1タイトルは少ない方ですが、安定した走りと、年齢を重ねても衰えを感じさせない走りが評価されました。
種牡馬としても、ディープインパクトやキングカメハメハに劣らない活躍を見せたステイゴールドは、オルフェーヴル、ゴールドシップといったG1ホルダーを6つ手にした馬を輩出しています。
それ以外にも天皇賞(春)を連覇したフェノーメノや、2019年の春秋マイルG1を制したインディチャンプ、障害レースの絶対王者のオジュウチョウサンを輩出しています。
ステイゴールド産駒は、父と同じく丈夫な馬が多く、中・長距離を得意とする馬が多いですね。
パワー型の馬が多く、雨で馬場が湿ると好走率もアップすることから
「雨のステゴ(ステイゴールド)は買い」
という格言まで生まれました。
種牡馬としても目覚ましい活躍をしていましたが、2015年に大動脈破裂のために、亡くなりました。
最後にサンデーサイレンスの血を継ぐ繁殖牝馬を紹介しましょう。
最初に紹介するアドマイヤグルーヴは現役時代にエリザベス女王杯を連覇した馬です。
血統を見ると母がオークスを制したエアグルーヴで、エアグルーヴの母であるダイナカールもオークス馬です。
兄妹に、種牡馬としてキセキやダンビュライトを輩出したルーラーシップがいる良血馬ですね。
現役時代はクラシック三冠を皆勤したものの、先ほど紹介したスティルインラブの存在のために、クラシックタイトルを手にすることができませんでした。
しかしながら、古馬になってからは逆にスティルインラブに先着し、G1タイトルを手にすることができました。
繁殖牝馬として、6頭の仔を産みました。最後の仔を産んだ年に胸部出血のためにアドマイヤグルーヴは亡くなってしまいます。
その最後の仔が、2015年の皐月賞・ダービーを制したドゥラメンテです。
ドゥラメンテは現役時代に2度の骨折に泣かされ、4歳の夏に競走馬を引退しましたが、後にG1タイトルを7つ手にすることになるキタサンブラックには全てのレースで勝ち越しています。
それ以外にも、ダービーにて父キングカメハメハのレコードタイムを更新したことから、評価が上がり、種牡馬入りしました。
ドゥラメンテの産駒は2020年にデビューします。
アドマイヤグルーヴの血を継いだ仔が、今後も活躍するのです。
エアメサイアは2005年の秋華賞を制した馬です。
通算成績は12戦4勝ながらも、全てのレースで掲示板に入選する安定感を持っていました。
繁殖牝馬も結果を残し、代表産駒であるエアスピネル・エアウィンザーは、重賞タイトルを手にしている上、母と同じく、掲示板内に高確率で入選していることから、馬券ファンから支持を集めていました。
エアメサイアの新たな産駒にも注目されていましたが、エアメサイアは放牧先の事故で無くなったようです。
フサイチパンドラは、サンデーサイレンスのラストクロップ(最後の産駒)です。
現役時代にはエリザベス女王杯や札幌記念を制しています。
G1ホルダーをひとつ引っ提げて引退した後は繁殖牝馬として、9頭の仔を産みました。
その第七仔は、現役最強牝馬として名高いアーモンドアイです。
アーモンドアイは至上5頭目となる牝馬三冠を達成したのみならず、ジャパンカップ・ドバイターフ・天皇賞(秋)・ヴィクトリアマイルを制したことで、G1タイトルを7つ手にしました。
芝の馬として、至上初となるG1、8勝目を賭け挑んだ安田記念では、ひとつ後輩の桜花賞馬であるグランアレグリアに敗れての2着でした。
シンボリルドルフやテイエムオペラオー、ディープインパクトが成し遂げなかったG1タイトル8勝目に王手を賭けているアーモンドアイはまだ5歳の牝馬。秋の大舞台もありますしチャンスもまだ充分あります。
フサイチパンドラの仔が、競馬界に新たな歴史を作るのか、注目ですね。
簡単ですが、サンデーサイレンス産駒を特徴毎に紹介させていただきました。
距離や舞台を問わず、活躍しているサンデーサイレンス産駒は、種牡馬としても、繁殖牝馬としても大活躍しています。
2020年の桜花賞・オークスを制したデアリングタクトがサンデーサイレンスの3×4であったりと、さすがに血統背景は世代を超えるようになっていますが、それでも、サンデーサイレンスの血を継いだ馬が大舞台で結果を残しているのは事実です。
サンデーサイレンスが亡くなり、その血を継いだディープインパクトが亡くなっても、この世に残した仔が活躍する限り、サンデーサイレンスの血が途切れることはないでしょう。
今後もサンデーサイレンスの血を継いだ仔たちの活躍に注目していきたいですね。